まるで電気毛布にくるまっているような感覚。一度使ったらもう手放せない、快適・電熱ウェア。
ホントに暖かいの?
高価なだけの価値はあるの?
雨の日でも使えるの?安全性は?
など疑問、不安で興味はあるけどまだ購入まで至っていない方も多いのではないでしょうか?
電熱ウェア歴5年の私が出す結論は、「高いけど、買う価値あり!」。
特に代謝が悪くなる中年ライダー(私も)にはありがたいウェアです。
もはや「No 電熱ウェア、No 冬のツーリング」状態。
1年中バイクを楽しみたい方にはおすすめです。
1年のうち半年しかバイクに乗れない北海道でも春と秋には重宝します。
電熱ウエアとは?
冒頭にも書きましたが、いわゆる電気毛布みたいなものです。
ウェアのなかにカーボンファイバーが入っていてバイクのバッテリー、もしくはモバイルバッテリーから給電をして熱を発生させます。
私の電熱ウェアは2016年に購入した「Heatech」(ヒーテック。ヒートテックじゃないですよ。)なので5年間使用していますがまだまだバリバリ現役です。
ジャケット
シックなデザインなので、ジャケットはアウターとして着て歩いても違和感はありません。
古いモデルなので、最新モデルとは仕様が異なる部分があると思いますが、参考にしてみてください。
真っ黒なブルゾンタイプのウエアです。
左の裾からコードが出ています。
これをバッテリーから引っ張ってきたコードにつなげるか、インナーズボンとジョイントさせてバッテリーからのコードにつなげます。
また、左下からは電源ボタンが出ています。
ベロみたいになっているのでアウタージャケットが腰骨ぐらいまでの丈ならスイッチが外に出ます。丈が長いアドベンチャージャケットだとスイッチが出てこないかもしれませんね。
スイッチは長押しで電源オンになり「レッド」(強)→「オレンジ」(中)→グリーン(弱)の順で温度が変わります。
もう一度長押ししたら電源オフです。
背面はこんな感じです。いたってシンプルですね。
脇から下は伸縮性のある素材になっています。
袖からもコードが出ています。
これは電熱グローブを装着するときに使います。
私は電熱グローブを持っていないので、コードが出ている小さいポケットにコードをしまっています。ファスナーがついているのでコードがブラブラすることはありません。
裏地はナイロン製です。
スルスルした肌触りなので下に着るウェアが引っかかることはありません。
暖かくなる場所は「両腕」「胸」「背中」「襟」
赤で囲んでいるところが暖かくなる場所です。
腕はひじぐらいまで、前はお腹までは暖かくなりません。背中は真ん中から少し下ぐらいでしょうか。
インナーズボン
ズボンはさすがにインナー用です。このまま歩いたらステテコみたいでダサいですよ(笑)
前と後ろ。左の腰のあたりからスイッチのベロが出ています。ズボンのスイッチのベロはジャケットよりも長くなっていて引っ張り出しやすくなっています。
昔、小学生のジャージについていた裾のループはアウターズボンを履くときに引っ掛けておいてずり上がるのを防いでくれます。アウターズボンを履き終わったらループは外します。
足の先にもコードがついていて、トゥーウォーマーと接続できます。
裏地は起毛のフリース素材で肌触りがいいです。
地肌で履いても肌触り的には問題ないです。
ホームページに掲載されている説明書を読んだら、ジャケットと爪先につけるトゥウォーマーは地肌に直接着ないようにという注意書きがあっただけなので、ズボンは直接履いても大丈なんだと思います。
実際、私も直接履いている時が多いです。
暖かくなるのは腿の部分
ギリギリ膝ぐらいまでは暖かくなります。
私が乗っているアフリカツインは足元の整流効果が高く、膝下にはあまり風が当たらないので気になりません。
私はスネまでのアドベンチャー仕様のブーツを履いているので裾から風を巻き込んで寒さを感じることはありません。
バイクとの接続方法
写真ではわかりづらいと思いますが、バッテリーに直接配線をつなげて、配線はシートの下から出しています。利用するウェアの電力に合わせて付属のヒューズもつなげます。
シガーソケットからも給電できるコードが販売されていますが、シガーソケットを電熱ウェアの電源で埋めてしまうとスマホへの給電ができないのでやめました。
ちなみに、シガーソケット用のコードは別売りです。
また、ハンドルに取り付ける電源スイッチがあるのですが、ジャケットのスイッチにしか対応していないし、大きくてカッコ悪いのでかなり早い段階で使うのをやめました。
ウェアとバイク本体から出ているコードとの接続については、まず二股になっている部分にジャケットとズボンから出ているコードを接続してから本体のコードにつなげています。
このアダプターは別売りで購入します。
それで、実際暖かいの?→暖かいです!
スイッチを押して数秒でどんどん暖かくなっていきます。
気温が0度近い時でも今まで一番強いモードで走り続けたことはほとんどなくて、あってもはじめの5分ぐらいです。
ほとんどが一番弱いモードで、風が強かったり本当に寒い時は中モードにしています。
実際、一番強いモードで走るような気温だったら路面が凍結していてツーリングどころじゃないと思います。
特に背中がポカポカ暖かくなって、太陽の光を背中で受けているような心地よさです。
首元も暖かくなるので、アウタージャケットの襟元をしっかり閉めておけば熱が逃げることがありません。
下半身も太ももが暖かいのでガクガク震えることはありません。
当然、暖かくないところもあります。
ジャケットの中で熱がこもっているのですが、カーボンファイバーがない部分は隙間風が入ってきているようにスースーします。
特に腿の外側から足の付け根、腰あたりが寒く感じます。
これはそれぞれの商品によってどの部分まで暖かくなるかをチェックした方がいいですね。
シーズン別の重ね着は?
夏
Tシャツ、上下3シーズンジャケット(防寒インナー外し)
北海道では真夏でも寒い時があるので、キャンプツーリングにいく時はジャケットだけは夏でも電熱ウェアを持っていくことが多いです。夏はズボンだけ夏用を着ることはあります。
ショートツーリング以外ではメッシュジャケットは着ません。
トンネルに入ると寒いし、特に道東道のトマムあたりはかなり気温が下がっています。
それでも十勝エリアや道央エリアは30℃を超える日があるので、うだるような暑さになる時あります。北海道の夏はジャッケット選びが難しいです。
グローブは3シーズン用とメッシュジャケットを持っていきます。
春・秋(4月、10月は関東だったらほぼ冬の気温)
ロンT、電熱ウェア上下、上下3シーズンジャケット(4月、10月は防寒インナー)。
電熱ウェアがあるとかなりの寒さにも対応できるので、安心感が違います。
電熱ウェアはズボンも必要?
私はどちらかというとズボンの方が重宝しています。
上半身は重ね着が結構できますが、腰から下はあまり重ね着ができず、底冷えのような寒さを感じるのでズボンはあると全然暖かさが違います。
よく「頭寒足熱」っていいますからね。足元の暖かさは重要です。
グローブは必要?
今のところ必要性は感じていません。
私のアフリカツインにはグリップヒーターもありますし、ハンドガードもついているので寒さはかなり軽減できています。
グリップヒーターが付いているハンドルにハンドルカバーをつけたら「こたつ」状態になるのですごく暖かくなります。
トゥーウォーマーは必要?
こちらも今のところ必要性を感じていません。
頑丈なロングブーツを履いて、靴下は登山用の分厚いメリノウールのものを履いているので寒い時は爪先に寒さを感じることはありますが、電熱アイテムが欲しいと思うほどではありません。
きっとグローブもトゥーウォーマーも使ったら手放せなるようになると思いますが、このあたりは基本装備でどんなものを使っているかによりますね。
安全性は?今のところ問題なしです。
説明書には2〜3年を目安に買い換えるようにと書かれていますが、高額なのでさすがにそんな頻度で買い替えできません。5年間使っていますが今のところ不具合はありません。
嫌なこと。静電気がすごい。
電気を通しているので当然かもしれませんが脱ぐときにバチバチする時があります。
静電気を気にされる方は電熱ウェアのしたに着る服は、アウトドアウェアで売っているような静電気を抑えるシャツを着るといいかもしれません。
雨でも使える?
使えます。でも、ウェアが濡れないようにレインウェアを着ましょう。
ないとは思いますが、メッシュジャケットの下に着ていたら雨で濡れてしまうのでだめだと思います。
あと、プラグの接続部分に水が滴ってくると少し心配ですので、ジャケットの下に隠れるようにするといいと思います。
あまりの大雨だったら使うのをやめて、コード類もしっかりしまっておく方がいいでしょう。
バイク側のプラグにはゴムキャップがついているのですが、何度か使っているうちにパカパカになってしまうので、キャンプ場でバイクを停めている時は朝露でプラグが濡れないように処理をしておく必要があります。
一度だけプラグが濡れて作動しなかったことがあります。ちょっとひやっとしますね。
【注意点】説明書をよく読みましょう。
バッテリーの小さいバイクは制限あり。
バッテリーの容量が小さいとジャケット、ズボン、グローブ、トゥーカバー全てを一度に使うことはできません。大型バイクなら問題ないと思いますが、それでもバッテリーの消費量は大きくなるので注意が必要です。それぞれのアイテムの使用電力を確認しましょう。
スクーター通勤等、短時間の移動で使いたい時などはモバイルバッテリー対応のジャケットを買うといいと思います。
エンジンをかけない状態で使わない。
エンジンをかけない状態で使うとバッテリー上がりの原因になります。
実際に電熱ウェアをきているとバイクから降りた時の方が寒かったりするので、エンジンを停めてもしばらく電熱ウェアの電源を入れたままにしたいと思うかもしれませんが、我慢してオフにしましょう。
「高価」だけど「効果」あり!ぜひお試しを!
最後ダジャレで締めてしまうところがおじさんライダーの悲しいところですが…私は、電熱ウェアなしに冬のツーリングに行くことは考えられなくなってしまいました。
ライダーにとって寒さ、暑さ対策は永遠の課題。
今はいろいろなメーカーから電熱ウェアが出ていますので、それぞれの特徴を比較しながら予算に合わせて導入してみてはいかがでしょうか。
きっと冬のツーリングが今よりずっとに快適で楽しくなりますよ!
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