山頂まで車やバイクで行ける「函岳」美深歌登スーパー林道&加須美峠函岳林道
山頂付近まで車で行ける絶好の景観ポイント。(標高1,129m)
360度ぐるっと見渡せる山頂からは、天気が良ければオホーツクの海や日本海に浮かぶ利尻富士が眺められます。
出典:美深町観光協会ホームページより
函岳は美深側と枝幸側からアクセスできて、どちらも往復約55kmのダートが続く北海道でも屈指のロングダート。オフロードライダーなら一度は走りたい林道です。
北海道屈指のロングダート、2度目の函岳に挑戦
昨シーズン9月、林道が冬季閉鎖される直前に行った函岳。
残されたチャンスも少なかったので天候が悪いのがわかっているなか日帰りで強行しました。
函岳は道北エリア、札幌から林道の入り口まで片道230km以上あるので林道走行を含めたら550kmを超え、14時間以上もかかったハードなツーリングになりました。
林道を走っていると頂上に近づくにつれ雨も風も強くなり、山頂の視界はゼロ。函岳を走った!というだけで消化不良に終わっていました。
ということで、今回は天気も確認して行程にもゆとりを持たせたツーリング計画を立てました。
今回はキャンプ泊をして2日間の日程
美深側の林道入口からほど近いところに「びふかアイランドキャンプ場」があります。
- チェックインは朝8:30〜。チェックアウトは〜15:00。
- バイク乗り入れ可能。
- 温泉隣接。道の駅もすぐ。
まさに函岳を走るための拠点としてふさわしいキャンプ場です!
先にキャンプ場にチェックインをして荷物を置いて函岳を目指し、それから温泉に入ってのんびりキャンプを楽しんで翌日帰るプランです。
ダート走行とキャンプが楽しめ、さらに美深までの長距離走行もお手の物なアフリカツインの魅力を存分に楽しめるツーリングプラン!
計画するだけでワクワクしてしまいます。
ブロックタイヤの性能やいかに?
今シーズン初めて採用したブロックタイヤを履いてからまだオフロードを走っていません。タイヤが減りすぎないフレッシュなうちに林道を走りたいという思いもあり早いタイミングで函岳に行こうと考えていました。
とはいえ、にわかオフロードライダーなのでタイヤの性能が分かるほどの技術も経験もないのですが…。
新しいテントもデビュー!
そして出発前日に新たに手に入れたテント、小川キャンパルの「ステイシーst2」をデビューさせます。
ショップでテントを設営してもらってその快適さに感動したので、キャンプ場で実際に使うのが楽しみです。
今回のルート
林道入り口まで札幌から約230km。もちろん下道で行きます。
札幌から旭川、士別、名寄を通り美深のキャンプ場までは約230km、一般道を使うと途中の休憩も含めて4時間くらいかかります。
高速道路で行けば時間短縮になるのですが、相当急いでいない限り高速道路は使わない主義。時間も1時間も違わないし、お金もかかるし(その割に稼げる時間が少ない)、疲れるし、虫爆弾を大量に被弾するし…北海道ツーリングで高速道路の利用はあまりメリットがありません。
早朝出発になるので道路も空いているので、一般道でもストレスなく走ることができます。
林道のスタート位置は上の地図の「250」と「300」が重なっているあたりです。片道27km、往復で54kmのロングダート。山なので当然、往路はずっと登り、復路はずっと下です。
しばらくは林間コースですが、加須美峠を過ぎてからは木々の背も低くなり視界が開けてきます。上の地図だとちょうど色が緑からベージュに変わるあたりです。
そして地図上で🏁が立っているところがびふかアイランドキャンプ場、地図のしたの「STOP」は美深の町の中心部でコンビニや飲食店があります。
キャンプ場の受付開始時間から出発時間を逆算すると…朝3時30分出発!
函岳に向かう前にキャンプ場でテントを設営し、荷物をデポするのでキャンプ場の受付開始すぐにチェックインする計画。となると3:30の出発となるわけです。でも、この時期の北海道は4時には明るくなってくるので真っ暗な中走る時間はほとんどありません。
早起きできるか、が勝負です!
予想以上に深い砂利地獄で2度も転倒する散々なツーリングに…
動画あります!
綺麗な景色を撮ろうと、ヘルメットにつけたアクションカメラで動画を撮影していたので、見事に2度の転倒を動画におさえていました。函岳の様子も解説しながら10分程度の動画になっているのでよかったら観てください。
ツーリングのスケジュール(1日目)
スケジュールは全て順調でした。2日目は来た道を戻るだけなので割愛します。
早朝出発なので予想通り順調に進みます。気温もそれほど低くなく程よい涼しさでした。
途中、程よい休憩を取り時間調整をしながらキャンプ場への到着も受付開始時間ぴったり!
初めて使うテントの進水式(?)も十分に楽しんでから荷物を置いて函岳に向かいました。
林道スタート直後から深い砂利
身軽になった状態で林道に突入!直後から深い砂利でタイヤを取られます。去年来た時より確実に砂利が深くなっています。山頂のライダーたちと話しましたが、おそらく林道が開通する前に整備のために砂利を巻いたのではないか、ということ。四駆ではないクルマもたくさん来ていましたが、ドライバーと話すとクルマでも怖かったと言っていました。
トラクションコントロールがしきりに作動します
タイヤのスリップを感知すると作動するトラクションコントロールですが、頻繁に作動していました。
砂利が深すぎるとトラクションコントロールの影響で推進力を失いエンストするんじゃないかというぐらいガタガタしてしまいます。
私の愛車はアフリカツインのDCTモデル。クラッチがなく自動的にシフトチェンジしてくれるのでエンストはしないはずですがかなりもたつきます。
走行モードはSの1段回目。グラベルモードにもしています。これだとスピードが出ると3速までシフトアップしてしまうのでSモードを2段回目に変更。これで2速をだいぶ引っ張ってくれるのでがたつきは減りました。
オフロード走行が上手なライダーはトラクションコントロールの関与を弱めるか、オフにすると思いますが、私は怖くてできませんでした。
対向車が多いので迂闊に右寄りを走れない
砂利の深さを見ながら林道の右側、左側を選んで走りたいのですが、観光で来ているクルマやバイクが多いので迂闊に右側を走ることもできず、多少路面状況が悪くても左側を走ることが多くなります。
林道では思った以上に停止までに時間がかかるので注意が必要です。
そしてすれ違いの時には停車するよう心がけます。すれ違いざまにバランスを崩して転倒したら大変です。
ブロックタイヤの性能がわからない
路面がぬかるんでいてグリップするならブロックタイヤの性能もわかるのですが、ずっと砂利道なのでタイヤがポンポン跳ねてグリップなんて全くわかりません。ブロックの厚みで衝撃が和らぐのかと思いましたが、それも感じることができませんでした。
アフリカツインはベースの走行性能が高いので、私のレベルではタイヤを選んだところで大きな違いはないのかもしれません。
1度目の転倒は突然スライディング気味に
砂利に苦戦しながらも林道を15km以上走り枝幸方面の分岐がある加須美峠までやってきました。
前回の経験だとここからは砂利が少なくなると思っていたのですが、全然砂利の量が減りません。
それでも頑張って走っていたのですが、緩く右に流れている場所を走っていたらワダチの真ん中に敷かれている砂利に前輪を取られてスライディングのように転倒しました。
転倒後の処理は慣れているのでエンジンを切って、スタンドを立ててすぐに引き起こします。
バイクの状況を見ると、右側のカウルに熊にでも引っ掻かれたかのような傷が…。
そしてミラー、ウインカー、エンジンにも少し傷がついていました。
ショックは大きかったですが、とりあえず山頂を目指すため再出発するのですが、ハンドルが曲がっていました。
アフリカツインはオフロードで転倒することを想定して、ハンドルへの衝撃を和らげるためにあるハンドルとステーの間にラバーが入っていて、ある程度の衝撃でラバーがずれて曲がるようです。
山頂でタイヤを足に挟んでハンドルを戻したら簡単に治りました。
転倒のショックを引きずりながら、それでも山頂の景色を満喫しました
快晴とまでは行きませんでしたが、昨年の視界ゼロとはうってかわって眼下に絶景が広がります。もっと晴れれば利尻富士も見えるようですが、そこまではクリアに晴れていませんでした。それでも十分満足です。
函岳山頂の写真としてよく紹介される、突き出た岩のうえでまるで絶壁のうえにいるかのような印象的な写真も撮れました。
山頂で会ったライダーは口を揃えて砂利の深さを呪っていました。その中でも砂利地獄に引き摺り込まれたのは私だけですけど…。
復路は出発直後に転倒
山頂から引き返し初めて、すでにビビっている自分に気づきます。
ちょっと砂利が深いと往路のようにスピードを出すことができません。
そして砂利が深いので道路の脇を走ろうと思ったら、側溝があることに気づき避けようとしましたがまたしても砂利で前に進まず側溝のほうに転倒。今度は左側です。
バイクを起こすための足場にちょうど側溝があるので非常に力が必要です。
最近、スポーツクラブでウェイトトレーニングをしていて背筋も鍛えていたのでよかったですが、非力だったらバイクを起こせないどころか背中をやってしまっていたと思います。
ビックオフで林道を走るからにはそれなりの体力も必要ですね。
この転倒で左のカウルにヒビが入り、ミラーは根元の方から曲がりました。
自分は無傷で無事生還!
それからは相変わらずビビりながらも転倒することはなく無事に下山しました。
林道が終わってアスファルトを走るとホッとします。
天気がいいので汗だく。しかも2度の転倒で埃まみれ。
幸い自分は無傷でどこも痛いところはなく、疲労困憊なだけでした。
その後はランチを食べてキャンプ場に戻り、温泉で汗を流して新快適なテントでキャンプを満喫しました。
函岳は楽しいけれど、油断は禁物です!
これほど長い区間ダート走行を楽しめる林道は日本全国でもそれほど多くないと思いますので、オフロード走行を楽しみたいライダーなら是非一度は行って欲しい場所です。
でも、この深い砂利は要注意です。
250ccのエンデューロバイクでも苦戦しているようですから、ビックオフならなおさら注意が必要です。
少なくても路面状況が悪くても自力でバイクを起こせる体力を持っている必要がありますが、できれば数人で走るほうが安心でしょう。
加須美峠から山頂までの景色もよく、運転に集中しながらではありますが気持ちいい景色は堪能して、函岳の恐ろしさも味わったので函岳ツーリングはもう満足です。
おまけ|バイクを守るガード類とカウルの修理費用
ガード類は見せかけだけのものもあるそうです
ツーリング後、HONDAのショップに直行しバイクの状況を見てもらいながらガード類について話をしました。
カウルを守るガードはアフリカツインの純正パーツでもありますが、ガードをつけることでカウルが守れるというわけでもないようです。
むしろ、転倒の衝撃でガードがカウルに食い込んでカウルが割れることがあるとか。
アフリカツインの純正パーツのガードはどうやらそれほど強靭ではないようです。
今回のような転倒では、そんなガードをつけていたら余計にカウルが損傷していた可能性があります。
見た目をカッコよくするためやフォグランプをつける目的でガードを装着して林道をあまり走らないならいいかもしれませんが、本格的なオフロード走行のためにガードをつけるとしたら頑丈なものを選ぶ必要があります。
カウルの修理費用
念のため、カウルの修理費用の見積もりを出してもらいました。
パーツ代だけで片側3万円、工賃も含めると両側交換したら7万円近くなります。
さすがに高いし、走りに影響はないのでしばらくは傷がついた状態で走ろうと思います。
ショップのスタッフからは「このぐらいの傷がついていた方が箔が付くし、見る人が見たらオフロードを走り込んでいるな、って思うから勲章みたいなもんですよ」と言われました。
私自身は一大事だと思っていたのですが、オフ車の傷なんて当たり前と言わんばかりにスタッフたちは動じることはありませんでした。
勲章ね…まぁ、そういうことにしておこうか。
ということで頬に傷がついた強面の相棒とこれからも北海道ツーリングを楽しんでいきます!
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